2010年9月23日

抱っこ出来なくてゴメンね

   

その時私はバス停へ向かっていた。
大通りの向こうにあるバス停。
大通りを渡るため信号待ちの私。
バスが一台行ってしまった。
その後もう一台バスがきた。
これに乗らなければ
次はしばらく来ないかもしれない。
私は待ち合わせの時間に遅れ気味だったこともあり
少しばかり焦っていた。
しかしそんなことお構いなしに
ママ(私)に抱っこをせがむ息子(2歳)。
私は膀胱瘤のため
あまり抱っこができないのだ。
普段なら息子を騙し騙し
何とか歩かせながらバス停へ向かうのだが
この時は思い切って
息子を抱っこし
小走りしてしまった。
私のお腹に息子の体重がズシズシのしかかる。
腹圧をかけてはいけない私の体。
「やばかったかも…。」
不安が頭をよぎる。
何とかバスには間に合ったが
頭の中は不安でいっぱいだった。
病状を悪化させてしまったかもしれない。
バスの中では幸い座ることができた。
座った感覚では
悪化させた様子はない。
歩いたらどうだろう?
違和感なく歩けるだろうか?
大丈夫だろうか?
バスの中で、
私の膝の上に座る息子に
事情を説明し
バスを降りたら歩いてくれるように頼む私。
何度も何度も説明し
息子は「わかった!」と一応言ってくれた。
ホントか!?
バスが着き
私たちはバスを降りる。
案の定
抱っこをせがむ息子。
次の移動箇所はすぐそこだから
体調がいい時なら
抱っこしてあげられるところなのだが
この時は
自分の体が不安で
抱っこ出来ない私。
「バスの中で、歩いてくれるってい言ったじゃん。」
「ママは、健康なママ達と違うの。
ママがお医者さん通ってるの知ってるでしょ。」
息子に言い聞かせる私。
あの手この手でいろいろ言い方変えて
息子に歩いてもらおうと頑張る私。
それでも抱っこをせがむ息子。
膀胱瘤なんかでなかったら
抱っこしてあげるなんてヘッチャラなのに…。
もって行き場のない
自分の体へのイライラがつのる。
「ママだって抱っこしてあげたいのよ。
抱っこしたくないわけじゃないの。
体が悪いから抱っこしてあげることが出来ないの。
わかってよ!」
とうとう私は、声を荒らげてしまった。
通りすぎる人が私を振り返ってみていた。
【膀胱瘤】
膀胱が落ちてしまう病気です。
私は出産により膀胱瘤となり、現在治療中です。
高齢出産の私ですが、高齢出産と膀胱瘤は関係有りません。
20代のママでも膀胱瘤になり得ます。




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