都内実家の固定電話が鳴った。
「もしもし。」
母が出ると男性の声。
男性「◯◯(母の名)おばさん!? (僕が)誰だかわかる?」
母「さぁ~???」
母の脳裏に何人かの名前が上がったが声が違う。
それでもひとり選んでみた。
母「ABCちゃん?」
男性「そう。ABCだよ。今から(お家に)行きたいんだけど。」
母「えっ?! でも今、おとうさんはデイサービス行っちゃてていないんだよ。」
男性「あっ、そうなんだ。」
そこでちょっと不思議に思った母。
ABCさんは父の親戚の人。
父がデイサービスに行っていると話せば
「えっ? おじさんどうしちゃったの?」
こういう会話の流れになるハズ。
ちょっと反応が変だった。
父がいる時にABCさんに来てほしい母。
母「私も今から出掛けちゃうんだよ。」
男性「えっ? この雨の中出かけるの?」
母「そう。その後友達とランチして、その友達がうちに遊びに来ることになってるんだよ。」
大体こんな感じの会話のやりとりがあり
男性はすぐに実家にいけないことがわかると
「また、電話する。」と言い
一旦電話を切った。
そこで一旦冷静になった母。
おれおれ詐欺かもしれない、と思い始めた。
30分後
さっきの男性からまた電話がきた。
男性「今日でなくて明日でも良いよ。」
何としてでも家に行きたいらしい男性。
母「あんた、私の名前知ってる?」
男性「◯◯おばさん。」
母の名前はあっている。
母「お父さんの名前は?」
少し考えてから
男性「xyzさん」
母「あんた、何言ってるの? お父さんの名前はxyzじゃないよ。」
母にそう言われると
男性はものすごい勢いで
電話を切った。
母の名前と電話番号、もしかしたら住所も知っているけれど
配偶者である父の名前は知らない。
一体何の名簿が流出したのか全く検討つかないが
母はこの後本当に男性が来るのではないかと怯えていた。
翌日
一応警察へこの出来事を話しに行った母。
警察の話では
似たような話で
実際に行くことを取り決めると
「行く途中でトラブルが起きて
(携帯を落とした、事故に巻き込まれた 等)
今すぐお金が必要になったので
持ってきてほしい。」
となる事があるらしい。
警察も
この件ではもう電話はかかってこないでしょう
と話してくれたことで
母は安心を取り戻した。
あれから一週間ほど経つけれど
警察の言った通り
男性から電話はかかってきていない。