息子(1歳)と外出してた時だった。
この時私は
ベビーカーを押し、
息子(1歳)は歩いていた。
ベビーカーは荷物が入っていたので
たためず
開いた状態だった。
私と息子は
都内某所にて
バスを待っていた。
バスがやってきた。
が・・・・。
通常、このバスは小型のノンステップバスのはずなのに
ノンステップバスでない中型のバスがきた。
私は焦った。
ノンステップバスならベビーカーを乗せることができるが
このバスでは無理だ。
困った。
非常に困った。
このバス停で
ちょうどバスの運転手さんが交代だったため
新しい運転手さんが
ベビーカーは重くて大変だろうと
機転をきかせ
ベビーカーをバスに乗せてくれた。
私はホッとした。
膀胱瘤(ぼうこうりゅう)である私にとって
(荷物が入ってて)たたむことの出来ないベビーカーを
持ち上げてバスに乗せることは
不可能だったから。
問題はバスから降りるときだ。
運転手さんが運転席から降りてきて
ベビーカーを降ろしてくれるわけはない。
しかし
私がベビーカーを抱えて
このバスの階段からおろすことは出来ない。
膀胱瘤患者である私は
お腹に力をいれてはいけないので
重たいものを持ってはいけないのです。
厳密には息子を抱っこすることさえ禁止されているのです。
(とはいえ、そんな事は出来ないから出来る範囲内で抱っこしている。
その為、時々病状を悪化させている。)
誰に相談することも出来ないし
とりあえず息子に話しかけた。
「〇〇(←息子の名前)、バス降りるときママに協力してくれる?
ママさ~、今の体調じゃベビーカー下ろすことできないよ。どうしようかね~。」
そんな内容のことを
息子にぶつぶつと何度も問いかけた。
とうとう降りるバス停に着いてしまった。
すると私の後ろから声がした。
「手伝いましょうか?」
振り向くと女性が私に声をかけてくれている。
「あっ、すみません。いいですか?」
私は二つ返事でその女性を頼った。
私は息子の手をつないで
バスを降りた。
息子は階段を降りるとき
手をつないであげないと降りることが出来ない。
私がバスを降りると
その女性は
彼女の二人の子供に何か声をかけ
(「ちょっと待っててね」みたいな感じ。)
私のベビーカーを抱え
バスから降ろしてくれた。
私は
彼女と一緒に下ろすつもりだったので
ちょっとびっくりしたが
本当に嬉しかった。
何よりも
この女性がいなかったら
私はどうやってバスの階段から
ベビーカーを下ろせばよかったのだろうか?
私は発車するバスを見送るように
その女性に何度も何度も
深々とお辞儀をしたのでした。
私はバスが行ってしまうと
息子を抱きしめた。
目がうるんだ。
人の優しさに触れたからなのか。
原因不明不妊・流産と
やっと乗り越えられたと思ったら
今度は息子の出産と引換にもたらされた膀胱瘤。
多くのママ達が普通にやってることが出来ない自分への
やり場のない思いなのか。
それとも
もっと他の理由なのか。
未だに分からないし、
今この文章をかきながらでさえ
胸の奥に
うまく言葉で言い表せない感情が現れる。
2010年4月15日
ベビーカーという荷物
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