2007年3月24日

豆腐屋のおばさん

   

東京近郊に住むおばさんが亡くなりました。
享年86歳。
ガンがあちこちに転移し
手の施しようがなかったそうです。
私が幼かった頃、
おばさんは私の家の近所に住んでいた。
いつの頃からか、
東京近郊某所へ引っ越していった。
そこでお豆腐屋さんを始めたおばさん。
年に1回位のペースで
私の家に遊びにきてくれていた。
その時いつも持ってきてくれる
「がんも」と「厚揚げ」が
私は楽しみだった。
おばさんちの商品を持ってきてくれていた訳だが
おばさんちの「がんも」と「厚揚げ」は
本当に美味しいのだ。
いつしかおばさんはお豆腐屋さんをやめてしまったけど、
あの美味しい「がんも」と「厚揚げ」は
どんな店にも負けやしない絶品だ。
おばさんは、沢山の子宝に恵まれた。
しかし、赤ちゃんのままの子宝を残し
旦那さんはこの世を去っていった。
あの時代で、
女手1人で
沢山の子供たちを育て上げたおばさん。
どんなにか苦労したことだろう。
遺影の写真は
長男の結婚式の時の写真だそうだ。
静かにやさしく微笑み、
今にも話し掛けてきそうだった。
カラオケが大好きだったおばさん。
私はお通夜に参列したのだけれど、
お坊さんが女性の方だった。
その女性のお坊さんのお経が
まるで歌っているかのような抑揚のところがあった。
綺麗な女性の声で
まるで歌っているかのようなお経。
棺の中には
家族がカラオケの歌詞カードを入れてくれたそうだ。
おばさんは大好きな大好きな歌を歌いながら
天国へと旅立っていったのだろう。。。




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6 Responses to 豆腐屋のおばさん


  1. 2007年3月24日 9:56 PM

    はじめまして。貴方のブログに目が留まりました。豆腐屋のおばさまへの哀惜の情が感じられましてひと言お悔やみを言わせていただきたいと思いました。旅立つときにことを考えれば、できるだけ人には親切にしたいと思います。

  2. first

    2007年3月25日 12:17 AM

    ◆2001さん◇
    はじめまして。
    コメント、ありがとうございます。
    >豆腐屋のおばさまへの哀惜の情が感じられましてひと言お悔やみを言わせていただきたいと思いました。
    ありがとうございます。
    数週間前、おばさんが入院していた病院のお医者さんから
    “今月いっぱいしかもたないだろう。”と言われていました。
    覚悟はしていましたが、やはり悲しいですね。
    >旅立つときにことを考えれば、できるだけ人には親切にしたいと思います。
    そうですね。
    先月おじさんが亡くなり、今度はおばさん。
    気がつけばおじさん、おばさんは、おじいさん、おばあさんという
    年齢だったことに、今更ながら気がつきました。
    “旅立つ”ということについて、改めて考えさせられました。


  3. 2007年3月25日 2:05 AM

    大好きな人との別れは辛いですよね・・・
    でも、大好きな人との思い出はずっと心に残りますよね♪
    先日、仕事関係の知人が奥さんを急に亡くしてしまい、その葬儀に参列したんですが・・・
    その知人の喪主挨拶を聞いていて、故人とお別れしてもそれですべてがなくなってしまうわけではないということ、むしろ、逆に個人との絆を実感できるということがわかりました。
    firstさんの心にも、きっとこれからず~っと故人の思い出は生き続けるんでしょうね・・・♪

  4. first

    2007年3月25日 2:59 AM

    ◆pitagoraさん◇
    お久しぶりです。
    コメント、ありがとうございます。
    >大好きな人との別れは辛いですよね・・・
    そうですね。
    先月はおじさん、そして今月はおばさん、と続いてしまったので余計に・・・
    >firstさんの心にも、きっとこれからず~っと故人の思い出は生き続けるんでしょうね・・・♪
    特にあの大好きだった「がんも」と「厚揚げ」の味は忘れられません。
    本当に美味しかったんですよ!


  5. 2007年3月26日 12:50 AM

    こんばんは。
    また、ブログを読んで涙しているわたしです。
    おばさんの味、もうたべることはできないけれど、思い出はいつまでも心の中にのこります。お別れは悲しいことだけどわすれたくないですね。ずっと。

  6. first

    2007年3月26日 2:50 AM

    ◆テディさん◇
    いつもコメント、ありがとうございます。
    >おばさんの味、もうたべることはできないけれど、思い出はいつまでも心の中にのこります。お別れは悲しいことだけどわすれたくないですね。ずっと。
    そうですね。
    おばさんは、古き良き昭和の時代の“おかあちゃん”
    の雰囲気をもっていました。
    平成という新しい時代となり、あんな雰囲気をもった
    “おかあちゃん”に出会うことはないでしょう。。。

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