新宿の雑居ビル1階。
エレベータが開いていたので、急いで駆け寄った。
中にいた初老の男性に聞いた。
「下、行きますか?」
男性「えっ?あっ、はい。」
私がそのエレベータに乗るとその初老の男性が話し掛けてきた。
男性「私ね、駅まで行ったんだけど、メガネ忘れてきちゃったんだよ。」
私「あー、そうなんですか…」
男性「作曲(作詞?)協会の副理事長と飲んでてねぇ~」
私「はぁ~…」
男性「ほらっ、私も作曲(作詞?)協会に入ってるんだよ」
(胸元のバッジを大きくアピール!! )
私「はぁ~、そうなんですかぁ~・・・」
男性「今ね、作曲(作詞?)協会の副理事長と飲んでたんだけどね~」
私「はー、すごいですね。。。」
男性「駅まで行ったんだけどメガネ忘れちゃってね~」
私「・・・・」
男性「最近目を手術したもんだから、よく見えすぎちゃってね~」
私「あー、そうなんですかぁ・・」
エレベータが着くと、私とその男性は別の道へと歩いていった。
「失礼しまーす・・・」 私は小声で言った。
おそらく聞こえてなかっただろうけど・・・
にしても・・・
彼が酔っていたのは間違いないのだが・・・
彼が歩いていった方向は地下鉄の駅しかないのだが、どこにメガネを
忘れたのだろうか?
目を手術して見えるようになったのならメガネいらなんじゃないだろうか?
様々な疑問を残し、彼は去っていった・・・