施設に着き、母のベッドに行くと青白い顔をして寝ている母の姿がありました。
おもわず母の頬に手をあてました。
(良かった。温かい。)
少し安堵しました。
施設のナースやケアマネさん、(たぶん)介護士さんみんなが心配してくれています。
私「顔色悪いですよね。」
ナース「これでも今朝より良くなったんですよ。」
一体今朝はどれだけ顔色が悪かったのだろう?
母に話しかけると、わずかに口をモゴモゴさせるのが確認できます。
わずかに口角をあげて笑う様子もあります。
手を持ち上げるとゆっくり手が下がっていきます。
持ち上げた手をキープすることはできないようです。
目はずっと閉じたままです。
意識はあるようなので、しばらく様子をみることも可能ではありました。
しかし、この日が土曜日というのも考慮しなければなりません。
話し合いを進めていると、ナースが声をあげてくれました。
「後で後悔しないためにも、病院で診てもらいましょうよ!」と。
「そうですね。お願いします!」
私は即答しました。
施設の方で病院を探してくれました。
いろいろあったようで、最終的に救急車を呼ぶことになりました。
救急隊員さんと施設の人のやり取りを聞いていたら
昨夜寝たのは11時頃だったそうです。
全くいつもと変わらない様子で食事も完食していたそうです。
その後救急隊員さんが「意識障害!」と伝えているのが聞こえてきました。
延命治療が必要になった場合、どこまでやるか聞かれました。
母は92歳という高齢です。
延命治療はしない方針の旨の返事をしました。
受け入れ病院は施設の近くでした。
その病院で何分位待ったでしょうか?
救急医から説明がありました。
先生「意識障害ということなんですが、コロナ検査をしたところ ❝陽性❞ です。」
私「えっ?」
先生「当院ではコロナ患者の受け入れをしていないのでコロナ対応をしている病院に移ってもらうことになります。今探しますので、もう少しお待ちください。」
この病院に来る前、私は施設で母の手を握っていました。
蚊の鳴きそうな声で何かモゴモゴ言っている母の声を聞き取ろうと、母の口元に耳を当てていました。
感染しそうな行為をめちゃめちゃしていました。
今更かもしれませんが、待っている間入念に手を除菌しました。
母の意識障害は、コロナに感染していることと関係あるのでしょうか?
【つづく】